やぶからいぬ 神奈川・よこはまズーラシア 2004.1.31
2004年 08月 31日
写真・走るヤブイヌの「ネト」よこはまズーラシア
” 初めてキミを見たのは数年前、小雪舞う京都だった、くんくんと仔犬のように鳴き、寸胴なキミがオトナなのか少女なのかもボクには分からない。 藝術の都チェコ・プラハから来たキミこと「チエコ」はカサカサと走ってはその出自に似合わない逆立ちで木にマーキングしていた。 そう キミはやっぱり、ヤブイヌだったんだ。”(”平成チエコ抄” じち著 より抜粋)
「ヤブイヌ」はもろに国産を匂わせる名前だが実はラテン系、中南米の森林に群れをつくって生息している。 ”原始的なイヌ”といわれ「生きた化石」とも呼ばれている。よこはまズーラシアの「ネト」(雄6歳)は飼育係には慣れているが 一歩外に出た放飼場では非情に神経質なのだとか。ネトは放飼場内に自分でつくったいくつ もの獣道を一定のペースで駆け回り、閉園が近くなるとまるで”閉店の近い回転ずし屋のベルトコンベア”同様にコースをショートカットして走る。 ヤブイヌってこういう動物なのか? なんとなくチエコだけでは納得できずにいたが、共通する小物具合はネトにも息づいているようで、やっとガッテン!した思いだ。
日本で飼育されているヤブイヌの近況といえば悲しいニュースが相次いでいる。
ショックなことにも冒頭で紹介した京都市動物園のキミこと「チエコ」は1月2日に亡くなっていた。 昨年、婿を迎えたチエコは妊娠し12月29~30日にかけて5頭の赤ちゃんを出産するも、子宮破裂で年が明けた2日に息を引きとったという。生まれた赤ちゃんも出産直後にすべて死亡してしまったそうだ。名古屋・東山動物園でもここ最近1頭が亡くなっている。 国内で飼育されるヤブイヌは僅かに3頭(すべてオス)となり寂しい限りだ。
ズーラシアの「ネト」は飼育係にはとても慣れているそうで毎日ブラッシングしてやるのが日課となっている。ケアの行き届いた毛並みが西日に美しく照らされた。
by yukankaba-z
| 2004-08-31 05:53
| 動物園